私がイタリアに来てからの日々を言葉にしてみました。
イタリアの雰囲気を感じて頂ければ幸いです。


第1回 イタリア到着!
第2回 ヴェネチアを経てヴェローナへ
第3回 ヴェローナ イタリア語学校
第4回 イタリアの大家さん その1
第5回 イタリアの大家さん その2

 以降執筆中!
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第1回 イタリア到着!

 ここがあの夢見ていたナポリ。
空港に降り立ち4月とはいえミラノとは違ういかにも南国らしい陽射しを受けながら、ナポリ民謡サンタルチアを小声でくちずさんでみる。まずは旅行ガイドであらかじめ考えていた宿に電話をする。英語が何とか通じ空き部屋があるとのこと、タクシーをひろう。いつも外国でタクシーに乗るときのように、何かぼられるのではないかとはらはらどきどきした。
しかし法外な値段ではなく到着。ドライバーは中庭に面したホテルの前に荷物を置いていってしまう。ホテルは3階でエレベーターホールまでに階段が数段あり、特大スーツケースを持ち上げるのにまた肩がおかしくなってしまった。

3ヶ月前にスキーで転んだときの後遺症はかなりまだひどい。ミラノから電車で来なかったのも、電車の乗り降りの際にイタリアではホームとの段差が1メートルくらいもあるので、荷物を持ち上げる自信がなかったから。以前だったらかなり女性では怪力のほうだったのにと、残念でありこれからの旅程に少々の不安を抱く。
部屋は鮮やかなマリンカラー。錨や帆など船のモチーフがうまくコーディネートされていてまあまあである。シャワーつきはずが便器と洗面器しかなく呆然としていると、なんと便器の上にシャワーヘッドがついていた。これではシャワーの後でトイレを使うには床も便座もびしょびしょと、いささかげんなりするがこれも外国とあきらめる。
どのくらいかかるか判らなかったので、日本円を換金してこなかった。
さっそくフロントに行って貸し金庫に預けに行くが金庫はないとのこと。2つ星のホテルなのに、なんと他の客のまん前で一枚二枚と万札を数え始めた。そして破けたハトロン紙の封筒に押し込んで無造作にデスクの上に置かれてしまった。まあ日本のお札の価値はみんな知らないだろうし、イタリアでは10000ミラが600円換算の国なので大金とは思っていないのかもしれない。
気をとりなおして食事に出かけ100000リラ札を出すと、50000札ぶんしかおつりをくれない。
早速始まったと思いここは頑張ろうと、身振り手振りで奮戦して何とか取り戻す。先が思いやられて少し憂鬱になった。

ここはメルジェリーナという港のまん前で、カプリやイスキア行きの船が出ている。
また漁港でもあるらしく水揚げしたばかりの魚を埠頭で売っており、食欲がそそられる。後で聞いたところ冷凍ものを解凍して船に積んでくるケースもあるとのこと。
3日ほど過ごして四つ星ホテルに移ってみた。丘の上にあり庭も整備されていて部屋のバルコニーからはベスビアス火山がまん前に見える。部屋も広々、もちろん浴槽もついていて久しぶりにお湯の中で手足をのばせる。
翌日からはバスや路面電車、ケーブルカーを朝から夕方まで乗ったり降りたり、でも乗客をちろちろと観察しているうちにイタリアの素顔に触れているような気になる。
ある日細い金のネックレス(8000円くらいのもの)をしていたところ、向かいに座った30代くらいの女性が手まねで外してバックに入れるようにと合図をする。そのとおりにするとよしよしというようにうなずいてくれた。
それ以来、もともとアクセサリーは付けないほうなので素顔で、黒い布製のバッグもブランドが見えないように裏返して目線をあわせないようにと気をつける。
丘の上のホテルまでは一本のバス道路しかなく、交通渋滞も日本並かそれ以上なので、ある日地図を見ながら丘の上に遠く見えるホテルを目指して徒歩で帰ろうと試みた。
最初は普通の街並みだったのが上るにつれて貧しさを増し、戻ろうかと思わないでもないがそれにはあまりにも来すぎているし、別に怖いけれども危険というほどでもないと優柔不断に歩いていると、とうとう貧民屈のようなところに迷い込んでしまった。戻るにも戻れないし、「私は透明人間である」と唱えながら進んでいくと気のせいか誰も私のことに注目しないではないか。でも息をころしながら通りすぎたときには、もう金輪際こんな経験はしたくないと思った。
翌日ナポリの貧民街で60何歳かの日本人男性が刺されてその日に死んだと聞き、いっそうその思いを強くした。

ナポリは大都会で幾つもの丘があり、ケーブルカーでのぼってみると思わぬ繁華街があったりしてドラマティック。また過去の栄華がうらぶれ、すすけた見事な大建造物から伺え、心が残ってしまう街である。

   第2回 ヴェネチアを経てヴェローナへ へ続く・・・

 

     
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